映画・テレビ

2017年12月 4日 (月)

12月に観たい映画。

12月は比較的落ち着いていて、
観たいと思った作品も少し少なめ。

「オリエント急行殺人事件」は
全くノーマークだったのが
ウィレム・デフォーが出演しているのと
ジョニデが久しぶりに本来の自分の良さを
引き出す演技をしている気がしたので、
気になった次第。

ついに今月、TOHOシネマズで貯めたマイルを
一ヶ月間映画がタダで見放題の夢のようなチケット
「一ヶ月フリーパス」と交換することになる。

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2017年12月 3日 (日)

3回目の鑑賞。と、この映画のいいところ。/ギフテッド

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翌週の公開から3回目の鑑賞。
あまりの作品の良質さに
ただただ、感嘆するばかりだったが、
今回は少し冷静に観ることができた。

それでも、やっぱりすごい映画だ。
じゃあ、どこがいいのか羅列した。

1、脚本に無駄がない

101分という尺の中で物語が無駄なく進む。

冒頭でフランクとメアリーの会話が始まり
この2人が本当の親子ではないことが説明される。
そして、主要人物たちも早々に登場。
キーマンとなる叔母も中盤前に出てくる。

登場人物の説明を早々に済ませ
観客をストーリーに引き込む。

そして、セリフも無駄がない。
ずべてが効果的にスパスパッと効いているし、
後の伏線となるセリフも。

2、映像と編集

撮影がいい。
例えばある人物がセリフを述べていて、
そのときはずっと固定されたトリミングなのだが
だんだん話の内容が核心に迫っていくと、
カメラが人物に寄って行って、
「これから大事なことを言いますよ!」的な
効果をうまく演出している。

冒頭のメアリーの担任が
難問をいとも簡単に解いていく彼女を見て
「えっ」という顔をしてから、絶妙なタイミングで
音楽が挿入され、次のカットに行くまでの
「間」も素晴らしい。

そんなに真新しい技法でもないと思うのだが
この映画では実にこれが生きている気がする。

3、顔芸

体で体現というより、
目や顔で演技が重要な気がした。

前回も述べたが主役のクリス・エヴァンスの目の演技がすごい。
喜怒哀楽を目だけで表現していた。

メアリーの担任教師役のジェニー・スレイトも
メアリーのギフテッドに気付いたときの顔つきや
物語の後半でフランクの素性が分かったときに
一瞬だけ挿入される彼女の「え、そうだったの?」
的な表情が実にいい。

彼女に限らず、他のキャストにもそういった
演技をするシーンが多く見られる。
要は「顔芸」がこの映画の肝でもあると思った。

4、一切画面に登場しないけど、すごい存在感

すべての登場人物がキーマンと言える中、
物語が始まったときからすでに故人となっている
メアリーの母の存在感が、
セリフの中でしか出てこないにも関わらず
終始物語に携わりっぱなしですごい。

ビジュアルで見えるとしても写真の静止画レベル。

フランク・メアリーとの強い絆の結びつきを
セリフだけで効果的に感じさせるのがすごいと思った。

5、猫のフレッドも。

メアリーが愛してやまない片目の飼い猫、
フレッドも、ただ可愛い猫では終わらない。
物語にある程度関わりを持つ役割がある。

6、登場する人種も幅広い。

最近のアカデミー賞で人種問題が話題になっているが
その辺を意識しているか定かではないが
登場する人種もいろいろ。

フランクたちの一番の理解者である
隣人ロバータは黒人だし
一瞬だが、メアリーが訪れる学校にも
アジア人が登場する。

観た人が「○○人はでてこないじゃないか」
という思いをするのを解消している…
というのは考えすぎか。

7、やっぱり、マケナ・グレースすげえ!!!

この映画を一手に背負っているのは
やっぱり11歳の子役、マケナ・グレース。

この子が天才と言われても
違和感ないたたずまいだし、
この役者なくしてギフテッドは存在しえなかった。
といえそう。

だって、監督が彼女が出演しなかったら
なしえなかった作品だった。と言ってたのを
どこかで見かけたのだから。

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最後にきになるのは、この映画吹替版が
上映されていない気がする。

ソフトで販売される際には
収録されると思うが、
幸いにもタレントは起用していない模様。
吹替を担当する声優は相当大変だと思う。

ああ、早くBlu-rayが欲しい。


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2017年11月27日 (月)

ギフテッド2回目。

鑑賞日の翌日に2回目。
いい。やっぱりいい。
今後もまた何度か観にいくと思う。

生涯ナンバーワンムービー暫定1位。
94年から1位を守っていた
「ショーシャンクの空に」が
初の落城。

まま、同じヒューマンドラマでも
タイプが全然違いますけれども。

もう1つ思ったのは、
「ギフテッド」はテンポがいい。
上映時間も1時間40分とコンパクトに収め
観やすいのも、いいかもしれない。

サイコー!

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2017年11月23日 (木)

子供にとって、1番の幸せとは。/ギフテッド

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「500日のサマー」「アメイジングスパイダーマン」
でお馴染み、マーク・ウェブ監督が放つ、
ハートフルヒューマンドラマ「ギフテッド」。

幼くして孤児となったメアリーは
母の弟である叔父のフランクと暮らしていた。
7歳になったメアリーは学校に通い始める。
が、そこでメアリーのある秘密が世間に知られることに。
彼女は数学の天才的な頭脳を持っていたのだった。
それをきっかけに、幸せに暮らしていたフランクとメアリーに
暗い影を落とすことになる。

特定の分野に対して突出した優秀な能力を
持ち合わせた子供(ギフテッド)にとって
1番の幸せとは何か? を問うた作品。

この作品、一言で言うと
自分が生涯見てきた作品の中で
ナンバーワンになろうか。という勢いの、
とんでもない作品だった。
非の打ち所がない。完璧。秀作。名作。

同時公開の「ジャスティスリーグ」のような
ビッグバジェット作品とは比べ物にならないくらいの
小さな作品だし、映画館に観に行こう。
というタイプでもない。

が、これこそは是非劇場で観ていただきたい作品。
映画を愛する作家たちが「こういう映画を作りたい」
と、大作にありがちな「周りからの横槍」が一切入らずに
やりたいことをやりきった作品。それを味わえる。

主演は「キャプテン・アメリカ」のイメージが強い
クリス・エヴァンス。(以下クリエバ)
国に対する揺るぎない忠誠心を原動力に
いろんな葛藤を抱える魅力的なヒーローを演じているのだが
今回のフランク役で新境地を開拓した感がある。

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それは、目ヂカラな気がした。
姉を亡くしたという悲しみなのか、
どこか哀しい感じが漂っている。
悲しみだけではなく、
いろんな感情を目で表現していように思えた。

こちらも若干11歳ながら、
クリエバと本当の家族のような演技を見せた
マケナ・グレース。入学初日で

「あ? 3+3? 6に決まってんだろ!」

と悪態をつく小生意気な態度だったり
フランクといるときは普通の子供に戻って
無邪気に遊んでいるときの演じ分けがすごい。

普通の7歳児ではない、特殊能力を持ち合わせた
「ちょっと普通じゃない児童」を見事に体現している。
これは、将来が楽しみだな。と思った女優で
今後の活動に注目したい。

聞くところによると、この歳でInstagramの
アカウントを持っているらしい。

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メアリーの亡き母と、その弟フランクの実母役のリンジー・ダンカン。
「バードマン」に出ていると聞いて、何度も観ているのに「え、どこに?」
と思っていたら、出てた。マイケル・キートンの演劇をこき下ろす
演劇批評家として。

彼女は一見すると悪役っぽく見えるがそうではない。
それがなぜなのかは、作品を鑑賞すればわかる。
彼女もいい味出てた。

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そして。黒人女優として近年のハリウッド映画、
バジェットの大きさに関係なく引く手数多、
自分の中では名優の域に達している
オクタヴィア・スペンサーも出番は少ないながら
メアリー達の良き理解者で隣人という役を
インパクト大で熱演。

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スペンサーは、これまた天才女性数学者が登場する
映画「ドリーム」にも出演しており、
インタビューでメアリーとキャサリンは似ている。と述べていた。

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↑みろよ!

上映時間は1時間40分と意外と短めだったが、
中身は超絶濃厚、見ごたえ十分。
メリル・ストリープとダスティン・ホフマン共演の
夫婦の離婚に子供が翻弄される名作「クレイマークレイマー」と
先に述べた「ドリーム」のいいとこどりに
マーク・ウェブと脚本のトム・フリンの個性を
たっぷりと凝縮した、何度も泣くことになる感動作。

特に病院のシーンは
ぅぁああああぁああああああああぁあぁおぉああ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
となること必至。映画史に残る愛情表現。

泣くからいい映画ということではないし
お涙頂戴だけにはしたくない。
という監督の意図どおり、
ハナにつくような演出は一切ない。

ストレートに、子供を思う大人の気持ちや行動を描いている。
それが時に、摩擦を生み、当事者たちを傷つけることもあるけれども、
この作品に悪人は1人もいない。
みんな、メアリーを愛してやまないのだった!!!!!!!!!!!!

これは本当にすごい映画だった!!!!!!!!!!!!
名作!!!!!!!!!!!!
超絶おすすめ!!!!!!!!!!!!
絶対に劇場で!!!!!!!!!!!!

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フランクの体の上で踏ん反り返るメアリーが面白い。
2人は2週間ほど、一緒に過ごして絆を深めたという。


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2017年11月19日 (日)

11月に観た・観たい映画。

11月も後半に差し掛かってしまったが。
勝手に公開。

ソー・ラグナログ

近年のマーベル映画の中でも群を抜いて楽しい映画だった。
1・2がダークな感じだったのに、この変わりよう。
それが功を奏し、超絶エンタメ作品に早変わり。

本当に楽しかった。演じてる人たちも楽しんでるのが
スクリーンを通じて伝わって来る。
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ノクターナル・アニマルズ

別れた旦那から小説が送られてきて、
それを読む嫁の話。小説の内容が凄惨。

ファッションデザイナーのトム・フォードの
映像センスが光る、上質サスペンス。
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女神の見えざる手(10月公開)
アメリカの銃社会にフォーカスした
超絶重厚社会派ドラマ。
銃社会やアメリカのシステムを
ある程度理解してたら、もっとたのしめるかも。

とにかく難しいので、冒頭から必死になって
話を理解しようとしていたら、結構疲れた。
が、それに相応しい内容だった。

ジェシカ・チャスティンすっかり硬派。
次回公開作品もユダヤ人300人を動物園に匿う
実在の女性を演じている。
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シンクロナイズド・モンスター

ある日、突然怪獣が街中に現れ
大きな被害が。
ところが、その怪獣の動きがアン・ハサウェイの
動きとリンクしている…。

という面白い内容なのだが、
個人的には「あら…」っという感想を抱いた。
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ゴッホ 最期の手紙
来年のアカデミーアニメーション賞にもノミネートされたとか
聞いた気がする、それに相応しい内容だった。
意外にサスペンス。もう一度観たい。
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イット それが見えたら終わり
スティーブン・キングの名作を2度目の映画化。
現代の映像技術でペニー・ワイズを再構築。
スタンド・バイ・ミー×ホラー。見応えがあった。
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人生はシネマティック!
未見。どんな内容なのか。予告編も観ていないが
面白そうだと思ったので。
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ローガン・ラッキー
引退したのに、復活したソダーバーグ監督作品。
映画作家はプロレスラー以上に前言撤回率高い。
現金強奪・脱号という大好きジャンルが
2つ混ざった、良質クライム作品だった。
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ジャスティス・リーグ
DCコミックのキャラクターが
漫画の枠を超えて共演。
「ソーラグナログ」で改めて
映画作りの上手さを世に知らしめた
マーヴェルに対抗できるのか。
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★ギフテッド
楽しみすぎるので★マークを。
亡くなった母の娘を弟が面倒を見ることに。
ところが、その娘は天才的な学力の持ち主と判明。

だが、弟は亡き姉の意思を尊重し特別扱いすることなく、
普通に育てるべきと判断するも、周りはそうは思わない。

「ドリーム」にも出演し、大女優の風格漂う
オクタヴィア・スペンサー見てるだけで泣けてくる。
予告編見てるだけでも泣けてくる。楽しみ。

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2017年10月20日 (金)

人間全滅してしまえ。と思っちゃった。/猿の惑星 聖戦記

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1970年代の不朽の名作「猿の惑星」。
それよりも前の日々を描いた、シリーズ最終作。
「1」から鑑賞していただけに思い入れも深い。

猿族のリーダーであり主人公でもある
シーザーが登場した時は目頭が熱くなる思いさえした。

彼が人間と和睦しようと模索し続けていたが
その希望も失われ、戦いたくないが
戦わなければならなくなった
彼の苦悩の表情と、
年を重ねてどこか疲れた表情を、
CGというフィルターを通してではあるが
アンディ・サーキスが見事に演じている。
自分の中で、この人アカデミー賞3回獲ってる。
くらいの名演技。

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そして、最終章ではシーザーが人間に対して
激しい憎悪を抱く事件が勃発。
シーザーは人間だけでなく、自分自身との
戦いにも挑むことになる。

血を血で染める、収拾のつかない聖戦へと
猿と人類はひた走る。

このシリーズ、相手は猿と言っても
ハイレベルな戦争映画なので、終始シリアス。
最終章も、冒頭から死者続出の陰鬱な
雨の中での戦闘が繰り広げられるのだが、
中盤、それを和らげるような要素が挿入され、
途中から物語がちょっと変化していく。

そして、驚いたのが「あるジャンル」の
名作映画のオマージュのような演出が
中盤〜終盤を占めていくことになる。
これは意外だった。

そして肝心の終盤。
個人的な意見だがこれは4作目もあるんじゃないか?
という期待感を持った。
作ってくれたら嬉しいが。

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1990年代以降、映像技術は発達して
今は技術も進みきった感があり
映像を目にしてもあまり驚かなくなっているが
この作品を見て改めて、映像技術の凄さに驚かされる。
そして技術があってこそ、この作品も成り立っているんだな。
と感嘆せずにはいられない。

終始見せられるのは、ほぼCGの猿たち。
しかし。ベースになっているのは技術を積んだ
役者たちの演技。

特に大切な顔の表情を、
人間→猿に変換させることに成功し
顔は猿ながらも、悲しみや怒りといった
観る者に訴えるような、素晴らしい映像を
見事に完成させている。

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「猿の惑星 創世記」からそれの完成度は高いが
6年以上経った今作では、その技術はさらに向上している。
臨場感が半端ない。

今からでも遅くはない。
過去2作をレンタルして、是非ともリアルタイムで
歴史的名作を再構築した、
リブートの中でもトップクラスに入る
この作品をご覧いただきたい。

シリーズ全部名作!!!

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2017年10月11日 (水)

内容はシリアスながらも爽快。/ドリーム

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2017年アカデミー賞の多くの作品にノミネートされ
本国では「ラ・ラ・ランド」よりヒットした
実話ベースのヒューマンドラマ。

【あらすじ】
1960年代。アメリカのNASAは、
ソ連との宇宙開発競争が激化。
NASAにはロケット飛行に必要な計算を行う
黒人女性の部署があった。

その中でも卓越した計算能力を持つキャサリンは
より重要な中枢の本部に異動になる。

しかしそこは彼女以外は全て白人、
ほぼ男性で構成された部署だった。

同じNASAに勤める彼女の友人メアリーとドロシーも
黒人女性というだけで、様々な困難にあうも、
持ち前のガッツで乗り越えていくうちに
人類初の有人宇宙飛行プロジェクトに関わっていくことになる。

【感想】
完璧すぎて、突っ込みどころがない。
一切の無駄のない超絶エンタメ映画だった。

NASAが舞台ながらも
根底にあるのは黒人に対する差別。
その重いテーマをシリアスにならないよう、
うまい具合にエンタメ要素を絡めて仕立ててある。見事。

主人公の3人の黒人女性たちの差別は想像を絶する。

・道路で車を修理しているだけで警察に厳しい職質を受ける
・職場から「非白人専用トイレ」へ行くまで片道約1キロ。
・バスの座席は白人が前・黒人は後
 (黒人の乗ったバスが放火され、バスから逃げ出したら
 そこに白人が待ち構え黒人が袋叩きにされるという事件が起きた)
・図書館で探している本が見つからないので白人エリアに行ったら
 警備員につまみ出される
・コーヒーは白人と非白人に分けられ、
 非白人の方は自分で作らなければならない。

今回の主人公たちは黒人ということに加えて女性。
映画から察するに、男社会のNASAでは、さらに肩身が狭い。

そんな逆境の中、天才的な頭脳を持つキャサリンをはじめ
2人の友人たちの物怖じしない姿勢が痛快。

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↑キャサリン

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↑ドロシー

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↑メアリー

黒人女性だからと、助手程度にしか見られていなかったキャサリンが
NASAの本部の重役たちの前で、彼らが頭を突き合わせても
答えを見出せなかった数式をいとも簡単に解いてしまい、
重役たちが唖然とするくだりは
「そら、みたことか」と胸のすく思い。

そしてキャサリンは、NASAで、人類史上
「前例のないこと」を成し遂げていく。
キャサリンにとどまらず、メアリーとドロシーも
新しい歴史を作っていく過程は素晴らしい。

ハイライトのひとつに、
キャサリンが本部で仕事をバリバリこなすのだが、
前述の通りトイレが往復2キロもあるため
離席していることが多くなる。

それを知った上司ハリソン(ケヴィン・コスナー)が
「君は、いつも席にいないじゃないか! いったい何をしているんだ?」
という問いに対するキャサリンの回答と、
それを聞いたハリソンが取る衝撃の行動。

この映画、ストーリーの完璧さに加えてキャストがすごい。
3人の主人公は勿論なのだが、
キャサリンの上司、ハリソン役の
ケヴィン・コスナーが素晴らしい。

宇宙飛行士を無事に宇宙に届け、
地球に帰還させることだけを信念とするアツい男。
そのために必要な重要な人材に肌の色は関係ない。
という考えの持ち主。

彼自身が黒人に対して個人的にどんな考えを持っているのかは
劇中描かれてはいないが、仕事熱心なのか
目的のものにしか興味がないのか、他の職員に比べて
ハリソンは差別的な行動はみせない。

ゆえに、黒人・女性というフィルタを取り去り
キャサリンの能力と人間性を尊重するハリソンの言動は
とても印象的だった。(人として当たり前なのだが)

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そして、久しぶりにお見かけした気がする、
キルスティン・ダンストも出番は少ないけど
存在感バリバリ出てた。

かなり嫌な感じのドロシーの上司。

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キャサリンの恋人役には
これまたアカデミー賞作品賞に輝いた
「ムーン・ライト」で、印象的な
ドラック・ディーラーがはまり役だった
マハーシャラ・アリがいい感じで熱演。
今回は一転、軍人を演じている。

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前述の通り、この映画は実話ベースで、
キャサリン本人はご健在で97歳。
先日、彼女のNASAに対する功績をたたえ
施設に彼女の名前をつけたそうで。
ちょっと遅すぎる気もするけど。

NASAという、世界の最先端をリードする割に、
中身や職員はベタベタの黒人差別な人たちや
その風習がありありと存在してたのが、なんだかな。
という感じでもあった。

劇中、黒人と白人が歩み寄りを
見せそうな場面もある。
しかし彼らは目を合わせて
会話しているようでいて
それは鏡越しであって、
実際は目を合わせていない。

全編通して痛快に描いてはいるものの
人種間の火種は少しも消えてはいない。
という事を叩き付けられたようなシーンだった。

と、アメリカの宇宙飛行計画の裏側に
こういう出来事があったのだ。と知れるだけでも
大いに見る意味のある教科書的な映画だと思う。

公開館数は決して少なくはないのだが
日本の興行成績初登場7位というのは
なんとも寂しい数字だ。

これこそ、観るべき映画だと思うのだが。


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2017年9月27日 (水)

ハリーポッターが死体役。/スイス・アーミー・マン

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ハリー・ポッターの主役で
世界的ブレイクを果たしたダニエル・ラドクリフが
死体を演じるという異色作「スイス・アーミー・マン」を鑑賞。

9月公開の中で最も楽しみにしていた作品ながら
池袋と有楽町のみというなんとも寂しい公開状況。
全国拡大希望。

舞台はとある無人島。ポール・ダノ演じるハンクは
人生に絶望し、自殺を図ろうとする。
そんな時、浜辺に打ち上げられた人間を目にする。
生存を期待して、声をかけるも、すでに事切れていた…。
さらに絶望し、改めて自殺を図るハンクだったが、
その死体に異変が…。

体内の腐敗ガスがお尻の穴から出始め、オナラを連発。
それはやがて、死体を動かすほどの勢いに。
閃いたハンクは、そのオナラを利用し
孤島からの脱出を試みる。見事成功!
(その様子がトップのポスター)

陸地に辿り着いたハンクは、人を探し進む。
が、死体も一緒に連れて行くことに。
メニーと名付けられた死体はスイスのアーミーナイフ
「ヴィクトリノックス」ばりに万能な死体だからだ。

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その万能ぶりは映画で観てもらうとして、
やがて2人の間に友情が芽生え始める。

オナラでピンチを脱したり、
小学生レベルの下ネタが出てきたり、
どこまでが冗談で本気なのか、
その境目を見分けるのに少し時間がかかったけど、
映像美と死体との友情、そしてラストの切ないながらも
笑いを誘う演出は、今まで観たことのないものばかりで
度肝抜かれっぱなし・笑わされっぱなし。

役者のセリフからリンクして壮大な音楽に切り替わる演出も
素晴らしく、幻想的でさえあった。

序盤に発動する死体の「ある機能」は
ハンクの幻想なのか。やもすると、死体と過ごした時間も
幻想なのかな? なんて考えたり。

傑作&珍作&力作。洋画部門今年1位になりそうな勢い。

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2017年9月24日 (日)

【少しだけネタバレ】邦画だけどこのクオリティ。/アイ・アム・ア・ヒーロー

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「新感染 ファイナルエクスプレス」
「マギー」
に続き、ゾンビ映画のご紹介。

花沢健吾原作の日本のコミック
「アイ・アム・ア・ヒーロー」を映画化。
わかりやすく言うと、ゾンビ映画の日本版。

プライベートも仕事もダメダメな漫画家
鈴木英雄(大泉洋)が主人公。
「新感染」と同じく、戦闘能力ゼロな人間が
ゾンビたちと戦闘を繰り広げる。

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「新感染」を観て、アジア映画でもこんなゾンビ映画が
作れるのか。と感嘆していて、じゃあ日本は? となる。
そんな最中、たまたまケーブルテレビで放送していたのを
リアルタイムで観た。

正直、期待はしていなかった。
今までの日本映画のイメージは、
映像技術的にどうしても

「ショぼく、レベルがさほど高くない」

ということがつきまとう。
この作品は、その予想を見事に裏切った内容だった。

1、ゾンビの造形がとにかく怖い。

ゾンビ映画やゲームのキモはゾンビの造形と
初登場時の演出方法だと思うのだが、
この映画は見事にそのツボを押さえている。

アメリカ産のゾンビは「気持ち悪い・グロい」がメイン。
が、この映画のゾンビは本当に「怖い」のだ。
動きも、その異形さに身の毛がよだつ。
こんなのに襲われたら、本当に怖い。
そう思える初のゾンビ造形と演出。

その大役を務めるのは片瀬那奈。
べっぴんな彼女がゾンビを演じたところで、
ちょい顔色悪くした程度のメイクだろう…。
と思っていたら。

「ぎゃぁあああああ!!!! 怖い!!!」

となった。
あの片瀬那奈の「れ」の字も感じさせない
人間性を失った顔と、その動き。
もはや人間ではない。

大絶賛だった「新感染」のゾンビを上回る
ファーストインパクト。
本当に怖い、恐ろしい。ぶるぶる。

この仕事を受けた片瀬那奈と事務所に感謝。

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玄関の新聞受けから見た、この構図も恐ろしい。

2、バイオハザードの描写とアクションが本格的。

ハリウッド映画では、街の一区画を借り切って、
大規模な撮影を行うので臨場感がすごい。
日本だと、撮影許可が下りなかったりして
なかなか本格的な映像が撮れなかったりする。
(戦隊シリーズのラストバトルがいつも同じなように)

が、この作品ではバイオハザードが本格的に広がり始め
待ち中が混乱する様子を実にリアリティ溢れる描写で表現している。

自分の部屋から逃げた英雄をカメラが追いかけていき、
そこで長回しのワンカットがあるのだが、
ゾンビになって追う者、逃げる者の様子などが
実にリアルに描かれている。

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そしてなんとなんと。
カーチェイスまで用意されていて、
これが見応え大アリ。

車同士がガンガンぶつかり合うし、
最後はお約束の大クラッシュ。

3、お約束のゾンビより人間が怖い。も押さえている。

英雄たちが行き着くショッピングモール
(完全にドーン・オブ・ザ・デッドオマージュ)には
すでに生存者たちのコミュニティが築かれており、
そこにお世話になることになる英雄たち。

妙に優しい彼らだが、案の定裏の顔をのぞかせ、
英雄たちは窮地に追い込まれる。

4、これもお約束! ゾンビ軍団との戦い&グロ・スプラッター

大量のゾンビとの戦いもちゃんと用意されている。
ここでの四肢欠損が凄まじく、よく日本映画でここまでやったなぁ。
という感じ。ラスボスまで現れて、満足度120点。

と、作品の面白さとともに
日本映画でここまでやれるんだ。という
喜びに浸れた作品だった。

原作漫画も是非読んでみたい。

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2017年9月20日 (水)

アクション要素ゼロなゾンビ映画。/マギー

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アーノルド・シュワルツェネッガー(以下シュワちゃん)というと
ほぼ無敵のヒーローを演じる
アクション俳優のイメージが強い。
ポスターもそんな風なものが多い。

だが、今回のシュワちゃんは、
苦悩に満ちた表情をしている。

ストーリーはシュワちゃんの娘「マギー」が
不治のゾンビウィルスに感染してしまう。
というところから始まる。

娘は数日たったらゾンビ化し、
必ず家族さえも襲う。
その娘をどう扱うべきか?
そんな家族や友人の苦悩を描いている。

ゾンビというと以前紹介した「新感染」しかり
シュワちゃん主演ということもあり
ド派手な殺戮アクション満載という印象だが、
全編を通して無音・控えめな音楽と
グレートーンの映像、静かなトーンで
物語は構成されていていうなれば
「ヒューマン・ゾンビ映画」。

シュワちゃんのアクションシーンも皆無。
あまり演技がうまくない(と言われているのを何かで見た)
彼が、全編苦悩の表情で演じ通す。

シュワちゃんにとって初のゾンビ映画、アクションなし
という異例な内容に加えて、
ゾンビ映画というと対象は大衆が主だが
これは娘が対象となる、このジャンルでも
あまり類を見ない内容なのではと思う。

と、ここまではいいこと書いているのだが、
実際の感想としては、理由はわからないのだが
どうも全体的に物語に対して入っていけないというか
「かわいそう」という風に思えなかった。

自分がシュワちゃんの立場になったら、
それはもう、大変なことだ。と分かっているにも関わらず。

なので、ラストも「まぁ、そうなるわな」的な感じで
サラッと余韻に浸ることなく観終えるに至った。

でも、作品としては内容もシュワちゃんも
新しいことをしようとしていて、とても好感が持てる。

つまらない。というのではなく、
惜しいな。というのが正直なところか。

カリフォルニア州都知事の任期を終えて
映画界に復帰した後のシュワちゃんの作品。
「ラストスタンド」「サボタージュ」など
興行的には以前ほどの勢いはないけれど
良質な作品選びをしていて、いいキャリアを築いていると
自分は感じている。

そんなシュワちゃんの最新作「アフターマス」も好評上映中。
以前なら数百館レベルで封切られていたのに、
調べたら都内は1館だけ公開という信じられないことになっている。

32012

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